サクラって何だろう・サクラを嫌わないで続編

「サクラを嫌わないで」の記事について、本当にたくさんの異議をいただいた。どう返していいのかわからなくて、一時サイトを潰したほうがいいのかとまで悩んだ。

罪悪感を感じながら、心を痛めながら仕事をするサクラもいる。
会ってみたいと思いながら、労働規約により会えないからと本当のことを言わず、自分から身を引いたサクラもいる。
男性を騙すことが辛くなり、仕事を辞めたサクラも。

こうして書いてる今も、私のサクラに対するスタンスははっきり決まってなくて、時に移ろい微妙に変わる。
だけど、男性を騙すことを「楽しみ」や「ストレス解消」にするのは絶対やってはいけない。男性からは、メールをしている相手の女性が「サクラか一般か」話してみたところで、確証が得られるわけではない。一般会員でも、キャッシュバック目的で適当な会話やドタキャンをすることもある。

時代に後れること数年、やっと携帯を契約し、今ひとつ実感の得られなかった「男性有料・女性無料」のサイトに登録してみた。
サイトの「利用者の声」の男性編には、「何人か会えました」「優良サイトです！」など絶賛の声が多数。教えてくれた男性からも「ここはサクラがいないから、募集かけるといっぱいくるよ」と言われた。
確かに、投稿してみると次々メールが来る。ここは本当にサクラがいないんだなと感じた。がしかし、しばらくしてまたそのサイトの男性投稿を見ると、「ここはサクラとか業者ばかり、本当に出会いを求めている子はいないの？」といった内容をよく見るようになった。
どこにも少なからず、「素人サクラ」や業者はいるものだなとがっかりした。

すぐにでも会えて、それはたとえ夜中０時を回ってても「会おうよ」と言えばすぐ出てきてくれる、すぐヤレると思ってる男性を結構見かける。仕事しながら「何勘違いしてるのよ」と思いつつ、「こんな夜遅くは無理だよ」と断ってもいた。
でも、その「勘違いな男性」を作り出したのは、逆にサクラや業者だったのかもしれない（中にはからかいやキャッシュバッカーの一般女性もいる）。
ポイントを稼ぎ、話をあわせるために「いいよ、今から行くから楽しみだね☆場所はどこにする？」と表面だけ取り繕い、結局姿を見せず直前に「ごめんね、ダンナに見つかっちゃって出られなくなったの」と言えばとりあえず「会える（はずだった）女性と会話ができた事実」は残る。
もちろん、生活リズムの関係で、夜が会うのに都合がいいという女性もいるから、夜に会うことが全くできない、というのは早計だとも思う。

以前ＢＢＳにも書いたが、サクラが悪いのか男性が悪いのか、となるとニワトリとタマゴ論争になってしまう。「ヤレる女がたくさん！」と煽る業者側にも、十分非はあると考える。
女だってしたいと思うことがある。でも、その相手をどう探すか気持ちをどう解消するかは様々で、またその過程も同様に様々。
確かにそういう相手を探すのに、出会い系サイトは手っ取り早い手段ではある。何も考えず、勢いで突っ走りやり取りもそこそこに会ってしまうこともあるだろう。
だけど、そんな女性ばかりではない。好きになってからでないと、先に進まない、進みたくない心理は大きい。

そういう私も、事務局からは「とにかく男性に話を合わせるように」と指示されていた。ツーショットのアブノーマルコーナーに繋がってしまったとき、普段では殆ど話したことがない性癖を持ったひとに当ることがある。その男性たちの要求に応えなければならないというのだ。
「仕事だから」と仕方なく「ふり」をしていたけれど、徐々に疑念がわいてきた。そもそも、そんな簡単にあまり見ないアブノーマルの性癖の女性に、電話してすぐ繋がるものなのか？？？

「電話をすれば、同じ性癖を持つ女性が必ずいる」

そんな考えが蔓延するのが嫌で、サクラを辞めた。
純粋に出会いを求めている男性を騙すことになるのも辛かった。

後から思えば、違う話に持っていくこともできたのだろうけどそこは「アダルトコーナー」、普通の会話で時間を稼ぐことは許されない。あくまでも「アダルトな会話」を楽しむために、男性は通常コーナーよりも高いお金を払って電話をかけてくる。
せいぜい違う軽めのアダルト会話に持っていくくらいしかできなかっただろう。

仕事でも、「そんな趣味はないから他の話をしよう」と言えなかったのが悔やまれる。そしたら、男性の考えもほんの少しでも変わったのかも…

でも結局、サクラひとりで動いたところで何にもならないし、 業者やサクラ全体の意識が変わらない限り、歪みは生まれるだろう。もちろん、男性の意識も。