2006/11/29 水曜日

ミセス・シンデレラ


木曜10時に放映されていたこのドラマ、ヒロインのみづほに自分を重ねて見ていたあの頃、私は年下の男性に片思いをしていた。でも想いを告げることができない間柄、ただ見つめるしかできなかった。
そして、家庭がありながら恋心を伝え成就を夢見たみづほを羨ましくも思った。もうダンナに愛はなかった。離婚を決意し、水面下で動き始めていた時期だった。

かなり薄れている私の記憶の中では、みづほは家庭と恋人、どちらを選ぶか迷う。恋人に一緒に暮らそうと告げられていたように覚えている。でも結局、家庭を選んだ。
だけどラストシーンの子供、あれは誰の子供だったのだろう。意味深な終わり方だった。

好きだったひとが異動してしまい、片思いは儚く終わってしまった。唯一、安全を願って交通安全の御守を渡すことができたのが精一杯の行動だった。

片思いをするまで、私は不倫とは無縁だと思ってた。家庭のある身、浮気なんて考えたこともなかった。離婚を考えて働き始めたパート先でも、仕事や職場に慣れるのに心を砕いた。片思いが終わっても、次の誰かを探す気にはなれなかった。
仕事が軌道にのり、それなりにお金もこっそり貯めて経済力をつけていつか離婚したい、そう思いながら働いていた。

でも転機はそこにあった。

あのとき、PHSを機種変していなければ、店頭の公式メル友サイトのチラシに目がいかなければ、私はもっと違う人生を歩んでいたかもしれない。
最初の頃はいろんな名前を使って、サイトにいた。
いつしかあの「ミセス・シンデレラ」を思い出し、あの頃の気持ちを重ねて名前を「瑞穂」にした。おとなしくて気弱な自分を変えたかったのもある。

「瑞穂」でいる私は、強い私を作り上げようとしていたのかもしれない。
そしてそうでもしなければ、この世界にいられなかったのかもしれない。


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