偽りのデート

未来のある恋をしたい、安心して会えるひとを探したいと思い、パソコンで恋人・結婚相手探しの真面目なお付き合いのサイトを探し登録した。
他にも真面目なお付き合いを前提としたサイトに登録していたけれど、どうにも既婚者が不倫目的で利用していることが多く、残念に思っていた。

正直に年齢とバツイチで子供がいることを書き、年齢は問わず真面目なお付き合いを望んでいると締めた。
何人かから返事がきた。その中に、年下の30代前半の独身男性がいた。
サイトに載せているプロフィールを見ると会社員で年収が1000万円を超えるとある。この年齢でこの年収、いったいどんな仕事をしているのだろうと不思議に思った。
でも特に聞くこともせず、なんとなくメールのやり取りを始めた。
他にこちらからメールを送ったひともいたけれど、残念ながら返事はなかった。

最初はサイト経由で、そのうち携帯でもやり取りをするようになった。子供がいるバツイチであることをちゃんと受け止めてくれたことが、安心材料のひとつでもあった。ただ休みが週2回の不定期で、それであの年収は不思議だとは感じた。

特にこのひとが好き、という強い感情はなかった。
ただなんとなく、メールしてて特に不快感を覚えさせないということで惰性でやり取りをしていたのかもしれない。
そのうちに相手から「会ってみようか」と提案があった。
私も女、初めて会うことに緊張と不安を抱きその日を待った。

行った先は市内の観光スポット、デートコースのひとつにもなっていて、季節ごとのイベントもある施設。私は初めて行くところで、そんなに遠くないとはいえ路線バスで出向くことでパニック発作が出ないか、気がかりなデートの始まりになった。

せっかく誘ってくれたのだからと、血の気を引くのを感じつつも笑顔を作って館内をまわった。平日のせいか、ひとは少なくゆったり歩けたが、それでもかなり気疲れがした。
相手のテンションもなんとなく低かった。私はこの場だけでもデートらしく楽しく、と明るく振る舞った。

観光スポットのわりにはあまり見るところもなく、内心がっかりしながら帰途についた。バスの中で、相手は身元をちゃんと教えておきたいと自動車免許証を見せた。
免許証には名前住所はもとより、本籍も記載されている。
免許を持っていない私には、そんな大切な内容を見せていいの?としか思えなかった。身元を明かすことで、私を安心させたい?そう思うことにした。

でもその後の言葉に、免許証を見せた意図を理解した。

「俺、サイドビジネスやってるんだ。サイト見たでしょ、年収が1000万円超えてるって、普通の会社員だけじゃ有り得ないでしょ?一緒にやらない?」

サイドビジネス…またこのパターンですか。それで免許証見せて信用させたのね。
がっくりきて、考えておくねとその場を取り繕いバスを降りた。

後日、「あの話考えてくれた?」とメールが入ってきた。
以前「利用された出会い」のひとも出会い目的と思っていたら、結局サイドビジネスの勧誘だったという経緯があり、今回その二の舞になるのは絶対避けたかった。「サイドビジネスはやりたくないから」とはっきり断った。

返ってきたのは、「誰がお前みたいな気持ち悪い顔の女相手するか!お前なんかに頼むわけないだろ!勘違いするな」という罵倒メールだった。
すんなり断れるとは思ってなかったけれど、まさかこんな返事が来るとは思わなかった。悔し紛れの言葉に、相手の不誠実さを見た。
早速知り合ったサイトに「サイドビジネス勧誘目的での投稿の可能性がある」旨知らせ、強制退会になったらしい。
形式上それなりの対処はしてもらえたけれど、それでも勧誘の断りに対して私の外見を貶すことで報復されたことが辛かった。
相手が幼稚なんだとは思っても、こんなストレートな表現のできる人間がいることにしばらく怒りが収まらなかった。


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