Christmas Treeとログハウス

師走の街を彩るChristmasTree。そのツリー装飾に関わったひとがいた。「来年のツリーの点灯式は一緒に見ようね」と言ってくれたひと。
結局実現することはなかった。

そのひととの出会いも伝言。サクラとして働いてた番組で。
ちょっとワルっぽい翳に惹かれて好きになった。
いろんなひとと伝言をしていたけれど、ずっと伝言が続いていたのはそのひとの持つ雰囲気と態度が決め手だった。

そのひとはずっと伝言のやり取りをしてくれてた。
イキナリ最初から「ここに電話して!」なんて言うこともなく瑞穂の返事を待っていてくれた。
仕事をする上でありがたかったし、仕事ということを超越して嬉しかった。

「瑞穂の声は、俺が好きになったひとによく似てるんだよ。
絶対そのひとと結婚するんだって考えてたけど病気で亡くなってしまって。
瑞穂と話してるとそのひとのことを思い出す」


もちろんその言葉に惹かれたわけではなく毎日夜遅くまで職場の中心となって働いていた、自分の夢の実現に向けて頑張っていたその姿に惹かれた。
同じ歳の自分が幼く見えた。

楽しそうに夢を話す姿が好きだった。直接会って話したいと感じた。
電話で話すようになり、会う話は急激に決まった。
出会いからひと月のことだった。

近くのパチンコ屋で待ち合わせ、クルマを走らせる。
「俺の作品を見せるよ」と言う。
クルマは郊外へと走る。
そこは別荘地として有名な場所。たくさんのログハウス。
その中にあのひとの建てたログハウスがあった。

「納期が迫っててね、3日間徹夜で仕上げたんだ。あの頃は俺も若かったなぁ」
懐かしそうにログハウスを見上げるあのひと。
その横顔に胸がドキドキした。

近くの小さなレストランでお昼を食べた。
とても家庭的なお店でおいしいパスタ、それだけで心もお腹いっぱいになった。
またクルマを走らせ山の中の川の上流に辿り着いた。

「こんな静かな川っていいね。あの水面から妖精が飛び出してきそうだ。
二十歳の頃に山篭りをして、ひとりでどれだけ生活できるかやったみたことがあるんだよ。
魚を釣って、木の実を取って。結局一週間で挫折したけどね」


瑞穂は自然が好き。こんな川のせせらぎを聞きながら好きなひととお喋りするのが大好き。
あのひとも同じだったみたい。
「今度はゴールデンウィークに一緒に海に行こう。
海に行って俺が素潜りでサザエとかアワビとか捕ってきてやるから、それを一緒に食べよう。
だから瑞穂もその日は空けておいてくれよ」


嬉しかった。素直に頷いた。
でも、その日が近づくと連絡が取れなくなっていた。
電話をしても出てくれない。留守電にメッセージを入れてもかけ直してくれない。
電波が届かないのか、それとも電源を切られたのかわからないこともあった。
あれから何度か会ったのに。

社交辞令ならそれでもいい、だけどそれを本気で取った瑞穂がウザイのなら、嘘でもいいから「仕事が忙しくてごめん」くらい言って欲しかった。

あのひとはプロ野球の某人気選手に似ていた。
しばらくそのひとをテレビで見るのが辛かった。


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