未来の花嫁

ピッチの出会い系サイトで知り合った某県の男性。瑞穂より何歳か年下で独身。距離の遠さも乗り越えて、ビシバシとアタックをかけてきた。
元カレと喧嘩別れした直後のこと。

最初「主婦」で登録していた瑞穂は、あまりにも多い「人妻だから欲求不満なんでしょ」のアタックメールに耐えかねて離婚してもいないのに独身設定、つまりバツイチの設定に変更していた。
その時点で考えが甘かったと言われても仕方ないけれど…。

まずメールアドレスを教えあい、意気投合したところで電話番号を聞かれた。
後で思えば、この時点で電話番号を教えなければこんなことにならなかったのにと今でも後悔している。

初めて瑞穂の声を聞いた相手は、今まで以上のメール攻撃をしかけてきた。電話も頻繁にかけてきた。朝昼問わず、相手が時間があるときに何度もかかってきた。

そんなある日の電話。
電話に出ると、なんだかざわついている。聞いてみると、職場にいるとのこと。誰かと会話しながら瑞穂とも話している。
何なのよ…そう思いながら電話を済ませようとすると、

「俺ら近いうちに結婚するんよ」
そばにいた同僚に語った言葉。

えっ…今なんて言った？
結婚…？？？

そりゃバツイチ設定で入れた瑞穂も悪い。
でも相手から結婚を匂わされたことも、もちろん瑞穂からそんな話を持ち出した覚えはない。
勝手に瑞穂を未来の花嫁にしないでください…(T∇T)
もちろん丁重にお断り致しましたとも。

でもそれでひるむ相手ではなくて、「いつか親に紹介したいから、まずはその前に瑞穂に会いたいから時間を取ってくれ」と言い出した。
ご両親にも相手にも会うつもりも当然なく、いくら実家で取れた野菜や地元の特産品をクルマに山積みしていくから、と言われても瑞穂にそれを受け入れる理由はなかった。
あまりにもシツコイ相手にキレて、これ以上お付き合いする意思がないこと、会う意思もないことを伝えた。

それからが…ストーカー状態の電話とメール。

Ｅメールと電話番号に直接入ってくるメール。(ドコモで言えばショートメール？)
仕事中だろうと何時だろうと、電話もメールも異常なくらい入ってくる。
あまりの事態に怖くなり、Ｅメールアドレスと電話番号を着信拒否した。これでＥメールも電話番号に直接入ってくるメールも電話も拒否できる。
これで諦めてくれると思っていた。

ところが…。

今度はまったく知らないケータイから電話。
誰？と思い出てみると、その相手からだった。同僚か誰かから借りたみたい。怖くなりすぐに切ってしまった。
それでもまだかかってくる電話。
相手の番号や同僚の番号は着信拒否にしたため、違う番号から。
喧嘩別れしたはずの元カレに思い余って相談してみると、「ソイツの電話番号を教えろ。俺が代わりに断る」とメールが着た。
「ヘンなことはしないでね」と言ったけれど、元カレには通じなかったみたいで後から聞くと電話で煽りあいをしていたらしい…(汗)
同時に「電話番号を変えろ」と指示してくれた。

さっそくお昼休みを利用して電話会社へ。
以前家の電話でもダンナの友達に嫌がらせをされて電話番号を変えた経験上なかなか話を受け入れて貰えないかと危惧していたけれど、話の内容と着信履歴を照らし合わせてくれたのかすんなり番号変更に応じてもらえた。
でもやはり言われてしまった…。
「契約解除にせず、電話番号のみ変えることはそう簡単にはできませんから」と。

かなり待たされ、お昼時間をすべて使い果たしお昼も食べられないまま午後の仕事を始めたけれど、電話番号を変えられるという安心感でイッパイだった。
元カレに感謝。
でも煽りあいはやめてね(￣▽￣;A

その事件？がきっかけで、元カレとは友達として今でも続いてる。
毒舌だけど、瑞穂のことを気遣ってくれ「ねえさん」と呼ばれるけれどとても大切な友達として…。